2020年5月4日月曜日

WANがわからない理由:LANはイーサネットだけどWANは?

イーサネットはLANの物理層とデータリンク層の通信規格です。

したがって、LANはイーサネットだという場合、LANの物理層とデータリンク層がイーサネットだということになります。

これに対し、WANの物理層は主にSONET/SDHになります。

SONET/SDHを使ってIPパケットを伝送する方法としてはPOS、GFPなどがあり、データリンク層は以下のようになります。

・POS(PPP over SONET/SDH)・・・データリンク層はHDLC+pppフレーム
・GFP・・・データリンク層はPPPやイーサネットMACなど任意のレイヤ2フレーム

近年、イーサネットの高速化に伴い、WANにもイーサネット(WAN PHY)が使われることが多くなりました。この場合、WANの物理層とデータリンク層はイーサネットということになります。

そして、WANに使われているSONET/SDHと、LANに使われているイーサネット(近年はWANにも進出している)には大きな違いがあります。

SONET/SDHが、連続送信される情報を連続したバイト列としてそのまま運ぶ物理層の規格で、複数のバイト列ごとに異なるタイムスロットを割り当てて時分割多重(TDM)するの対し、イーサネットはパケット多重です。

イーサネットのMACフレームやIPパケットだけを運ぶのであればイーサネットが最適ですが、SONET/SDHには電話、専用線、IP等をすべて同じバイト列として扱うことによって、データだけでなく音声や映像も時分割多重が可能で高価な光インタフェースを節約することができる特徴があります。

通信事業者は全国各地にWANを敷設していますが、WANの伝送媒体はほとんどが光ファイバー(メタルケーブルもあります)になります。

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